イスラム過激派と日本
シリアで日本人がイスラム過激派のイスラム国につかまった。我々の常識では
イスラム国などの考え方は到底理解できないのだが、その過激な思想に共鳴して
世界中から若者が押し寄せているところを見ると、何かしら彼らを引き付ける
ものがあるのだろう。
シリアはつい最近まで少々過激ではあるが、イスラム圏の中では政権が比較的安定
していた。だがエジプトのムバラク政権が崩壊すると同時に、独裁に不満を持つ勢力
が台頭し、国土が乱れた。国の中がぐちゃぐちゃになり、同時にイスラム過激派
が、シリアの中で勢力を急伸させた。
そんな危険極まりない場所へ命の危険を顧みず出かけた日本人のうちの二人が
イスラム国につかまった。そして日本政府に対して身代金を要求している。それも
2億ドルという途方もない金額だ。
私が思うに、現在のシリアやアフガンなどに出かける人は、最初から半分は
死ぬ気で出かけたのだと思う。うまくいって、日本に帰還できれば、商売になる
のかもしれない。だが、ダメ元の精神で出かけたのだろう。高邁な殉教精神で
現地へ赴いたとは到底思えない。
こういう人々対しての身代金などびた一文支払う必要はないと思う。自衛隊員や
外交官など、行きたくなくても任務で現地に行かざるを得なかった人とは全く立場が
異なる。
もし、日本政府が過激派の要求に負けて、多少でも身代金を払えば、その後は
彼らが味を占めて、何度でも日本人を誘拐、拘束するだろう。そうなっては、
彼らの思うツボで、世界の各地で日本人が狙われてしまう。ここは非情でも、断固
要求を突っぱねてほしいものだ。