フランス新聞社の諷刺コラム
フランスのある新聞社がイスラムの諷刺コラムを掲載してイスラム過激派に襲撃された。
新聞社は表現の自由の問題だと言い、イスラム圏の国々はイスラムに対する侮辱だという。
宗教の問題はとかくややこしい。キリスト教の国から見れば、なんでそんなに大騒ぎ
するのかという感じだろうが、イスラム圏の人は、イスラムに対する大いなる侮辱
だと感じてしまう。
イスラム圏にはイスラム国のような過激な組織もいくつかあり、侮辱されれば必ず報復
するといっている。それでも表現の自由を優先させて、諷刺画を掲載し続け、とうとう
過激なテロの標的になってしまった。
私が思うに、確かに表現の自由は尊重してしかるべきだと思う。特に巨大な権力に
立ち向かう姿勢は大切で、そういう諷刺は必要かつ大切だ。けれども、今回のように
イスラム圏の人々がみんな嫌がっているのに、それを無視して諷刺コラムを載せ続けるのは
どうだろう。人の嫌がることを繰り返すのでは、諷刺にならず、嫌がらせになって
しまう。キリスト教徒だって、マリアやキリストに対する侮辱にはいい気持ちがするまい。
表現の自由も周囲に対する思いやりを欠いては、身勝手な自己満足になってしまうと
思うのだが、どうだろう。フランス議会は国歌を斉唱して、イスラム過激派との戦争も
辞さない態度を示したが、一つ間違えば、イスラム圏全体を敵に回すことにもなりかねない。
フランス人もまさかそこまで馬鹿なことはしないと思うのだが。
宗教が絡むと、とかく問題がややこしくなる。フランスも戦闘準備をするよりも、新聞社に
矛を収めさせて、イスラムへの配慮を示してもらいたい。そうしなければ、場合によっては
イスラム圏全体を敵に回すことにもなりかねない。それこそ、第三次世界大戦のきっかけに
なってしまう。ここは大人の態度を示して何とか穏便におさめてほしいものだ。