武士道
友人から本が送られてきた。新渡戸稲造の「武士道」という著書だ。新渡戸稲造が口で語り、それを米国人の
奥さんが英語に訳し、米国人向けに作った本を、矢内原忠雄(元、東大総長)が和訳したものだ。これが、
難解というか、何を言わんとしているのか実にわかりにくい。英訳が下手なのか、和訳が下手なのか、さっぱりだ。
大学の教師は優しいことを難しく講義する傾向があるが、その典型だ。本を送ってきた友人に本の中身が分かったか
聞いてみると、わからないという。こんなものを送るほうも送るほうだ。
その友人が、どうして、この本を送ってきたのか聞いてみた。すると彼は「サムライ」とはどういうものか、
それに興味があるという。彼が友人達に「サムライ」の意味を聞いたところ、誰一人まともな答えが来ないという。
私にも「サムライ」の意味を聞かれたので、私なりの考えを答えた。
サムライとは正義感が強い。強者におもねらず、弱者に優しい。礼節を重んじる。金銭に執着しない。群れない。
能力を内に秘め、ひけらかさない。約束事を守る。盛期に増長せず、ピンチに強い。友情に厚い。義理堅い。
心身の鍛錬を怠らない。こんな人間じゃないかと答えた。たそがれ清兵衛のような男だ。
彼は、そういうことか、なるほどと言ったが、皆さんはどうお考えだろう。それにしてもサムライがいなくなった。