喫茶店の音楽
珈琲が好きである。ドトール、スタバなどの珈琲も飲むが、どちらかというと
好きではない。好きなのは昔ながらの喫茶店で、珈琲の質にこだわった店だ。
門前仲町にはそういう店があり、毎日のように飲みに行く。
カウンターに座り、店長と少しだけ世間話などしながら、炒り立ての珈琲を
飲む。
通いだして既に30有余年。客の顔ぶれも随分変わった。私より古い客は
もう誰もいない。
店長も随分替った。平均2年として今の店長で15人以上にはなるだろう。
店にはいつも音楽が流れている。セミクラシックないしイージーリスニング
ミュージックだ。この音楽がまた、珈琲によくマッチする。
この街には街の大通り全体に、有線で音楽が流れている。この音楽は最悪だ。
全てど演歌で、同じ曲を朝から晩まで流し続ける。多分、町内会の役員の誰かの
趣味なんだろうが、いつも聞いていて嫌になる。
希望としては春には春らしい、夏には夏らしい、季節感のある音楽を流して
もらうと有難いのだが、特に異を唱えるでもなく、黙ってど演歌を聞かされて
いる。腹の中で文句を言いながら。