認知症
幼馴染の友人が認知症になった、会社を定年で退職後にほとんど活動せず、自宅でテレビばかり
見るような生活になった。趣味も少なくパチンコ程度だった。
足の筋肉が衰え、だんだんと歩行速度が遅くなり、仲間との旅行も困難になった。外出すると
自宅に帰れなくなり、ますます自宅にいる時間が増えた。アルツハイマー型ではないのか、
急速な頭脳の衰えはないが、手紙を書くことも、銀行での入出金もできない。買い物も、家事も
できない。歯も磨かず、髭もそらない。奥さんが注意すると、猛烈に怒る。できるのは、食事を
すること、トイレに行くこと、風呂に入ること、テレビを見ることくらい。完全に人格の喪失
である。
元来、好奇心が旺盛ではなく、進取の気象も乏しかった。でも、無類のお人好しで、誰からも
好かれた。私も彼が好きで、とても大切に思っていた。近くに住んでいれば、将棋や麻雀に誘う
など、こんなことにならずに済んだのではないかと思うと、とても残念だ。
でも、やっぱり自己責任かな。