友人、知人の旅立ち
友人知人がこの夏の間に次々と旅立った。私とほぼ同年が二人、4歳年上が一人だ。
そのうちの一人は大学の同級生で、身長は170cmなのに、60歳で50kg、
70歳で40kg、80歳で35kg、82歳で30kgそこそこの体重だった。
私は彼が40kgになったとき、1~2年でお迎えか来るだろうと思っていたのだが、
それから骸骨のような体になりながら、10数年も生き延びた。その生命力や恐るべし
であった。ろくに食事もとらずに、タバコばかり吸っていて、肺気腫だった。
二人目は私の義兄の連れ合いだ。彼女は60歳のとき阪神大震災に会い、時を
同じくして脳梗塞になった。時期が悪く手当が遅れたため、後遺症に悩まされたが、
必死の努力で歩けるようになった。だが、食生活、運動などに問題があり、心臓病
その他もろもろの病気になり、何度も死にかけたが、何とかもちこたえ、83歳まで
生き延びた。その精神力や恐るべしが、私の感想である。
三人目は喫茶店でよく出会った知人だ。4~5年前からの知り合いで、とても丈夫そうに
見えたので、100歳までは生きますよと言っていたのだが、今年になって急に
痩せてきたので、理由を聞いたところ、がんが全身に転移しているという。そして
この夏、あっけなく旅立ってしまった。87歳だった。
こんな風に、友人、知人が次々に旅立つのは、仕方がないとはいえ、とても寂しい。
私も100歳まで健康寿命を保つなどと大口をたたいてはいるものの、寿命だけは
神のみぞ知るで、いつお迎えが来ないとも限らない。せっかく頂いた命なので、
粗末にせずに、生ある限り前を向いて生き続けるつもりだ。