年よりの冷や水
行きつけの喫茶店で顔なじみの人が沢山いたのだが、年上の人は次々と
お迎えが来るか、身体が不自由になって顔をみせなくなり、私は上から
2番目の年になってしまった。
ところが最近唯一の兄貴分の人の健康状態が思わしくなく、体重が
急速に落ちてきた。自転車にも乗れなくなり、それでも杖をついて
珈琲を飲みに来るのだが、何とも痛々しい。
今まではお祭りの話や、町会の仲間の話、趣味の話などで仲間と
盛り上がっていたのだが、だんだんと話に弾みがつかなくなり、私が
先に帰ろうとすると、名残惜しそうな様子を見せる。もう二、三日は
生きられるだろうなどと、気弱なことをいう。いよいよお迎えが近いのかも
しれない。
私はというと、健診の結果はオールA,持病は何もなく、食欲も旺盛、
毎日一万歩以上歩き、朝方の五種類の運動を欠かさず、絶好調ではなくも
好調を維持し、会社へは一番に出社し、帰りは一番遅く、社業のほかに
自宅の管理組合や自治会の仕事もこなし、憎まれっ子世にはばかるを
地で行っている。
20年くらい年下の人と付き合わないと、私の葬式には誰も友人が
来なくなるのを心配して、年下の友人をつくることに努めていたが、最近は
その年下の友人知人がみんなおかしくなり、私より先にお迎えが来そうな
様子で、何とも皮肉なことになっている。
世の中、何事も思い通りには行かないことを実感するこの頃である。