鼠蹊ヘルニア
約8年前に鼠蹊ヘルニアの兆候がでた。入浴時に自分の体を観察すると左の下腹部が
妙に盛り上がっているのだ。これはヘルニアに違いないと思い、経験者に聞いてみた。
すると間違いなくヘルニアだという。そして放置するとカントンなど重大な症状になるので
手術したほうがいいという。しかし、痛みもなく、生活に何の支障もないので、放置した。
すると、下腹部のふくらみが段々と大きくなってきた。相変わらず痛くもかゆくもないので
放置しておいたが、あまり膨れるとよくないと思い、ヘルニアバンドを購入して、鼠蹊部を
抑えておくことにした。ところが、春先になると、汗が出て悪臭を発するので、嫌になり
ヘルニアバンドの装着を止めてしまった。
そしてそれから約8年が過ぎた今秋、ひどい風邪を患った。食欲がなくなり、食事が
十分にできなくなった。すると、同時に便秘の症状が出た。そして鼠蹊部から腸が出てくる
ようになり、その症状が出ると、下腹部全体に鈍痛がでて、生活に差支えが出るようになった。
身体を横たえると、腸は引っ込むので痛みはなくなる。しかし、立ちあがって日常生活を
しようとすると、また、腸がでてきて痛みが出る。無理矢理押し込んでも、しばらくすると
また出てくる。これでは、まともな日常生活は不可能だ。
そこで意を決して日本橋にある鼠蹊ヘルニア専門のクリニックを訪ねた。そして、とうとう
手術をすることにした。手術は日帰りで、30分程度。局所麻酔で済ませるという。私は高齢だが
健康面では何の問題もなく、血液も正常である。日帰り手術にも十分耐えうる身体だと思っている。しかし、
このクリニックは随分と患者が多く、手術まで3週間以上も待たされる。
それまでの期間、痛みを辛抱するのは嫌なので、使っていなかったヘルニアバンドをまた使う
ことにした。おかげで痛みからは解放されたが、これはこれで違和感があり大小便にも
かなり不自由を強いられる。さらに術後はしばらく入浴も運動もできなくなる。
困ったものだが、いずれこういう日が来ると思っていたので、仕方のないこととあきらめて
いる。いくら健康自慢でも、年には勝てない。今年は歯科も含め、大分医療費を使う年に
なりそうだ。