縁者の他界と介護
私の年齢になると、友人、親戚、近隣縁者などが次々に他界する。突然死もあれば、長年寝たきりの末にやっとお迎えと言う人もいる。
お迎えは男女によって差がでる。男は大抵、あっさりと死ぬ。女はしぶとく何年も寝たきりの後で死ぬ例が多い。セクハラと言われる
かもしれないが、女の生命力というか、業の深さのようなものを感じてしまう。
最近もこんな二つの例があった。年齢はともに80歳そこそこの男性。ともに肺炎になり、一人はだんだんと歩行が困難になり、最後は
寝たきりになった。そして要介護4になってすぐにお迎えがきた。もう一人はもともと歩く習慣がなかったのだが、風邪をこじらせて
肺炎になった。ひと月あまり入院している間に歩行が困難になり、帰宅してすぐに要介護4になった。そして、直後にお迎えが来た。
男はこのように最後のあっけないのが多い。免疫力なのか、精神力なのか不明だが、あっさりと旅立ってしまう。
女性はしぶとい。寝たきりになっても、10年、20年と生きるのはざらで、これはこれでとても困る。最後の10年、20年は社会に
何の貢献もせず、ただひたすら、周囲の人間や、介護士、病院などの世話になり、生きているというよりは、息をしているといった
状態が延々と続く。ホーキング博士と違って、社会には何の貢献もできない。これはこれで、とても困った状態だ。
介護保険がこんな状態になった人に使われるのでは、あまり芳しくない。平均寿命が延びたと言っても、寝たきり老人を増やして
平均寿命を上げるのでは意味がない。介護保険は出来うるならば、お年寄りの自立を促し、健康寿命を延ばすために使われたいと願う。
今のままでは日本の国は寝たきり老人と介護の人間ばかりが増加し、活力の乏しい国にまっしぐらに突き進みそうだ。