サルコぺニア(老人性筋萎縮症)
サルコぺニアには二種類あって、老人性筋萎縮症とそれ以外の要因によるものがあるという。
ここでは老人性のサルコぺニアのみを取り上げる。年を取って体の筋肉を使わなくなると、
全身の筋肉が衰え、歩行をはじめとする運動能力が低下してくる。歩行速度が遅くなり、
全ての動作がのろくなり、やがて寝たきりの状態に近づいてしまう。
実は私の友人や親せきにも、それに近い人が何人もいて、どこへ行くのも億劫になり、
一人では喫茶店にも買い物にも行けなくなり、引きこもりに近い状態になっている。家族の
人がダメだししても、聞く耳を持たない。朝から晩までどこへ行くでもなく、自宅に引きこもり
、ぼんやりとテレビを見るような日々を送っている。
生きる目的もなく、食欲もない。性欲などゼロに等しい。酒もタバコもやらず、楽しみは
皆無だ。こういう人が私の周囲だけで何人もいるから、日本全体では途方もない数の人が
いるのだろう。サルコぺニアになると、脳の働きも悪くなり、認知症の症状も出てくる。
家族が支えきれなくなると、最後は施設に入ることになるのだろう。
こういう人が増え続けると、本人も大変だが、日本の国も大変だ。生きているだけで、自分で
自分の世話ができず、社会への貢献度は殆どない。でも簡単には死ぬこともできない。
こうなることを防ぐにはかなり若い時から、将来を見据えて自分の老後設計を立てておく
必要がある。何も考えず漫然と年を取れば、必ず悲惨な晩年が待っている。
老人性のサルコぺニアになるのが嫌なら、定年前から無理のない程度に体を鍛えておく必要
がある。日々の運動、散歩、趣味、仕事などをこなし、身体を常にこまめに動かす必要がある。
命はあっても、身体が不自由で、楽しみが何もないような晩年は、生きているというよりも、
息をしているといったほうが適切だ。こんな晩年になるのは誰しも嫌だろう。私は絶対に
そんな晩年を迎えたくないし、そうならないための努力も惜しまないつもりだ。