年賀状
随分と昔から年賀状のやり取りをしている。個人ベースで多い時は300枚くらい出していた。
年を取るにつれ、年賀を出している相手が高齢化し、鬼籍入りしてしまう。鬼籍入りしなくても
80歳~90歳になると、賀状が来なくなる。出すのが億劫になるのだろう。
年賀状を出している相手の対応も千差万別だ。確実に元日にくる人が一番多いが、2日、3日
4日と10日ころまでだらだらと賀状が来る。4日ころ以降のものは多分、私からの賀状を見てからの
返信だろう。そして、律儀に賀状の来ていた人が何人か来なくなる。今後はもう出さないと断りを
入れる人もあれば、黙ったまま来なくなる人もいる。こういう場合2~3年来ないと私も出さなく
なるので、生死が不明のままに賀状の交換が終わってしまう。家族からも、何の音さたもないので
高齢者の場合、多分亡くなられたのだろうと、推測するだけで、真実は不明のままである。
賀状を出している人の中で、生存が確実なのに絶対に返事をよこさない人がいる。因縁浅からぬ
間なので、私からは、それでも賀状を出し続けるのだが、相手からの返事はナッシングである。
こんなことを続けて半世紀余り、一時は300枚も出していた個人あての賀状もだんだんと数が
減り、今では150枚足らずになった。これは人間の細胞の生死を決めるテロメアと同じで、ひたすら
数を減らし続け、最後はほんの一握りの相手だけとの交信になり、ある日突然、終わりの日を迎える
んだろう、などと考えるこの頃である。まだ、150人程度との交信があるので、私のお迎えまでには
少し時間がありそうだ。