ロコモティブ シンドローム(2)
私と同年齢の友人二人の例である。二人ともまあ知的なタイプなので、生活自身はまともである。年相応に老化はしているが、特に致命的な
病気はなく、二人とも男性の平均寿命よりは、かなり長生きしそうな雰囲気だ。ところが、この二人が膝に問題点を抱えている。腰もあまり
快調ではなさそうだ。
この二人の共通点は若い頃から定年になる60歳のころまで、まじめに毎日ジョギングを続けたことだ。彼らはいつまでも健康を保ちたいと
思ってジョギングを続けたのだろう。それが却って裏目に出てしまった。ジョギングは都会の舗装道路では膝に負担がかかる。よほど性能のいい
ジョギングシューズを使い、ゆっくり歩くような感じでジョギングしないと、膝や腰を痛めてしまう。
そして、この二人はその通りになった。一人は膝の手術のためアメリカにまで渡ったという。最近はジョギングが流行のようになっていて、
朝の通勤時間帯には皇居の周辺や隅田川沿いにはジョギングする人を数多く見かける。ゆっくり走る人もいれば、相当のスピードで駆けてゆく人も
いる。けれども,折角の健康のための趣味が却ってロコモティブシンドロームを促進してしまうのに気づくのは、身体が悲鳴を上げてからになろうとは
殆どの人が気づいてはいまい。あな恐ろしやジョギング、あな恐ろしやロコモティブシンドロームである。