不健康長寿国、日本
日本は世界一の長寿国であるという。ただ、残念なことにはピンピンコロリではなく、お迎えを迎える前の10年ほどは
自立した生活はできず、寝たきりになるか、介護されるか、あるいはそれに近い状態で10年前後を過ごしているのが現実だという。
人間誰もが寝たきりに近い状態で10年近い期間を過ごしたいと思っている人はいないだろう。ほとんどの人は死ぬ寸前まで
自立した生活を送り、ある日突然にその日を迎えたいと思っているに違いない。けれども実際はそうはならず、死ぬに死ねないままに
情けない状態で最後の10年前後を過ごすのが現実のようだ。一人暮らしの人は死んでしまっても、誰からも気づかれぬままに、何年も
経過し、腐敗したり白骨化したりの状態で見つかったりする。とても悲惨である。
私が思うに、そうなるのは国や行政の責任ばかりではないと思う。今の日本は家族間、親戚間、近隣間などの付き合いが希薄化しており、
最後は孤独な一人暮らしになりがちだ。私はそうなるのは行政の責任ではなく、自分自身の問題だと思っている。各人が孤独にならないように
若い頃から対策を立てる必要がある。さらに、健康面でも何となく自堕落に生きるのではなく、自己管理することが大切だ。ガン、糖尿病
、脳卒中、心疾患などは、自己管理すれば防げる病気である。骨粗しょう症や腰痛なども自己管理が良ければ防げる可能性が高い。
いくら自己管理が徹底していても、人間の細胞の寿命は125歳が限度というから、100歳超まで健康的に自立して生き、100歳
を過ぎたある日、心不全か老衰でコロリと死ぬ、これが理想なのだろう。
それが西行法師の言うように、「願わくば花の下にて春死なん、その如月の望月のころ」、なんてことになれば最高なんだが。
生きるために、のたうちまわるのは仕方ないが、心身の健康を害して、のたうちまわるのは何としても避けたいものだ。