ロコモティブ シンドローム
同い年の友人が腰痛などの症状で正常な歩行が困難になった。もう何十年も前から腰痛があり、とうとう最終段階になったということである。
78歳だから、まだ歩行困難になるのは早すぎる。この年で歩行が不自由になると、最後の10年前後は寝たきりの状態を覚悟せねばならないだろう。
この友人はかなり知的な男なので、もっと前から対策を取っておれば、こんなことにならなくて済んだはずだったと思う。腰痛になる原因は
骨粗しょう症による骨の劣化か、腰回り、太ももなどの筋肉の衰えだと思う。対策はバランスの良い食事と適当な運動だろう。
私は今から10年ほど前にゴルフ場で生まれて初めてのぎっくり腰になった。その時これは腰回りの筋肉の衰えだと思い、朝食後に毎日必ず
10分程度の運動を始めた。歩きも、それまでは大して気にもしていなかったが、日々一万歩程度の早歩きをするようにした。そのおかげだと
思うが、その後腰痛の気配がない。食事には前々から注意していたので、以前と大差ない。
世の中の人は誰も例外なく、寝たきりとか、認知症になりたくないと思っているはずだ。けれども、思っているだけで、ならないための工夫や
努力をしている人はあまり多くない。多くないというより、ほとんどの人が努力をしていない。日本人の寿命は世界一で、今や90歳、百歳は
当たり前の世の中だ。けれども、健康寿命は寿命とはかなりの乖離があり、最後の10年ほどは、杖、車いす、寝たきりなどの不自由な生活を
過ごしているのが現状だ。
漫然とした老後を送れば必ず寝たきりか、それに近い最後が待っている。そんな切ない老後は誰しも嫌だろう。だとしたら、元気なうちから
そうならない努力をして、人間らしい尊厳を保ったままの最後を迎えたいものだ。