社会保障費(健康保険と医療費)について
医療費で国の財政がパンクするとか、健康保険組合が国への拠出金で破たんするとかの話は
よく耳にするところである。
健康保険制度は少ない個人負担で誰もが医療を受けられる、とてもいい制度だ。ところが
現在では社会保険も国民健康保険も健保組合保険も、すべて財政的にピンチに陥り、毎年のように
保険料が値上げされている。まるで一時の国鉄の再来を見るような状況だ。
健康保険制度には致命的な欠陥がある。実費負担が少ないため、多くの人が必要以上に病院にゆき、
唯々諾々と検査を受け、沢山の薬をもらい、大きな病院はまるで老人クラブのようだ。
私の会社の顧客で、体調がよくないという人の話を聞くと、病院で10数種もの薬をもらっている
という。高血圧の薬だけで3種類、コレステロールの薬、胃薬、消化薬、肝臓の薬、風邪薬など
、とんでもない数である。それらを飲んでも体調は一向に良くならないという。
これは当然で、毒を飲んで体を痛めつけているようなものだ。医者が患者の無知に付け込んで
でたらめな処方をしているのだ。
この例は健康保険制度が悪用された典型的な例だが、今の病院は多かれ少なかれ似たようなことが
行われている。患者には実質的な負担がかからず、病院は薬や検査で儲かるから、過剰な薬を平気で処方
し、不必要な検査を受けさせる。
こんなことが日本中の病院で日常茶飯事のように行われていれば、健康保険や国の医療費負担
は無制限に増え続け、どちらも財政的にパンクしてしまうだろう。
国民のために良かれと思ってできた医療保険制度が、今やモンスターになって、反って国民生活
を脅かしている。医者は反対するだろうが、医療保険制度は国の将来のために見直しの時期に来ている
のではなかろうか。