食生活と慢性病
食生活と慢性病には明確な相関関係がある。ここで二つの好例を上げてみよう。
知人で今年61歳になる男がいる。胃腸が丈夫で脂っこい食事が大好きだ。若い時から少し太り気味で、30歳になるころには
身長160cmに対し体重は80kgにも達していた。私は彼に対しては遠慮せずに口が利ける立場だったので、会うたびに
体重を60kg位にまで落とすように忠告してきた。何度も何度もしつこいくらいに。けれどもその忠告は結果的には無視され、彼は
とうとう61歳になる今日まで、体重を80kgのまま維持してきた。
その彼と先日会う機会があった。腰痛に悩まされ、毎日医者通いしているという。歩行がかなり困難になり、立って歩くのが
とてもつらいという。立ったままでは、歯磨きや髭剃りもできない状態だという。完全なロコモティブシンドロームである。
このままでは彼は間もなく寝たきりになり、介護を受けねばならなくなる日も遠くなさそうだ。今後、何年生きるかわからないが、
とても情けない晩年を送ることになりそうだ。こうなっては、忠告のしようもなく、反って嫌味になってしまう。
私の会社に私より一回り年下の社員がいる。彼との付き合いも長く、40年くらいになる。彼は食事の仕方と内容に問題があった。
兎に角食べるのが早い。私も普通の人よりは早いのだが、彼は私の4倍くらいのスピードで食べる。殆ど咀嚼せず、口に入れた食物を
あっという間に呑み込んでしまう。塩分が大好きだ。何にでもソースや醤油をたっぷりかける。さらに、こってり系の食物が好きで、
野菜はあまり食べない。昼食に連れ立って、よく出かけたが、食べ物の好みに差がありすぎるので、いつしか一緒に行くのを止めた。
その彼が最近、体調を崩した。体にだるさを覚え、病院に行ったところ、膵臓の機能障害が見つかり、入院せざるを得ない羽目に
なった。元来、胃腸が丈夫だったので、こってり系の食物をろくに噛みもしないで、大量に食べても、胃腸には悪影響しなかった。
その代り、膵臓が悲鳴を上げて急性膵炎になってしまったのだ。彼も今までは私の忠告など聞きいれる兆しはなかった。しかし、命に
かかわる病気になれば、流石に弱気になり、私の意見に耳を傾けるようになった。
私は彼にこう言った。よく噛んで、ゆっくり食べること。何を食べてもいいが、野菜をたくさん最初に食べ、次にメインのおかず、
最後に炭水化物を少し食べること。醤油やソース、塩などを極力使わないこと。アシタバの顆粒(寿草GB)を3か月分プレゼントするので
それを真面目に毎日飲むこと。そうすれば、あと10数年、80歳くらいまでは生きられるだろう。さもなくば、そう遠くない日に
お迎えがやってくるだろう。
彼も今度ばかりは、かなり骨身にしみたようなので、今後は健康長寿を目指して頑張ってくれることを期待している。健康産業に
従事する会社の社員が健康管理不行き届きで、早死にするのはみっともないし、世間に顔向けできないのでね。