株式の下落
株が暴落している。少し前までは連日のように強含んでいた。
きっかけはFRBの金融引き締め政策への転換だ。アメリカは今まで、かってないほどの金融緩和を実施し、
自国にも世界にも余ったドルがあふれ出した。その影響でアメリカも他の国も景気が改善され、比較的
経済力の弱い新興国にもドルが行き渡り、景気が良くなった。
ところが、FRBがドルの引き締め策をちらつかせただけで、世界にあふれたドルが、アメリカに還流を
はじめ、経済力の弱い新興国(ブラジル、南アフリカ、トルコなど)がドル不足になるのではないかとの
思惑で、これらの国の通貨が売られ、暴落をはじめた。
すると、新興国の経済不安がその他の国の経済にも悪影響するのではないかとの思惑で、世界中の国の
株が売られ、日本株もそれに追随した。
アベノミクスで円安になり、輸出産業が息を吹き返していた日本だが、相対的に信用のある円が買われ、
円安が反転して円高に振れだした。これも株式の暴落要因になっている。
先行きは不透明だが、円安が一時的なものなら、輸出産業はまた苦境に陥るかもしれない。
でも、円安、物価高が日本全体のために必ずしもいいとも思えない。物価高で賃金が抑制され、
年金の支給額も低下するようでは、国民生活は泣きっ面に蜂だから。